骨粗しょう症の治療薬(令和5年2月)

更新日:2023年02月01日

骨は、毎日古い骨から新しい骨へと生まれ変わっています。血液や皮膚と同じように新陳代謝が行われています。この骨代謝は、骨芽細胞によって新しい骨が作られる骨形成作用と、破骨細胞によって古い骨が壊され削られていくという作用で骨吸収作用の2つの活動によって成り立っています。これを骨のリモデリングと呼びます。1つの骨が全く新しい骨に変わるのには3~4ヶ月、全身の骨は約3年でまったく新しいものに入れ替わります。

骨粗しょう症は、骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨を作る量よりも、削られる量が増えて、骨の量が減ってスカスカになり骨がもろくなります。閉経後、とくに高齢の女性に多くおこります。 また、日頃の食生活・生活習慣も少なからず関係しています。

骨粗しょう症の治療に使われる薬としては、骨が削られるのを抑えるお薬(骨吸収抑制作用)と、骨を作るように促すお薬(骨形成促進作用)との2種類があります。

骨吸収を抑制するお薬

〇 カルシトニン(商品名:エルシトニン・エルカトニン):週1~2回筋注、骨粗しょう症による疼痛にも効果

〇 ビスホスホネート剤(商品名:ダイドロネル・フォサマック・ボナロン・アクトネル・ボンビバなど):起床時内服で、毎日、週1回、月1回など。注射は週1回、1ヵ月1回、年1回など。

〇 選択的エストロゲン受容体修飾薬(商品名:エビスタ・ビビアント):内服、静脈血栓塞栓症に注意。

〇 抗RANKL抗体(商品名:プラリア):注射、6ヵ月に1回皮下注射。

骨形成を促進するお薬

〇 テリパラチド(商品名:テリボン・フォルテオ):注射、1日1回毎日、週2回、24ヵ月まで

〇 抗スクレロスチン抗体(商品名:イベニティ):注射、1ヵ月に1回、12ヵ月

 

その他に骨の代謝を助けたり、骨の栄養源となるお薬として活性型ビタミンD3、ビタミンK、カルシウムなどがあります。

お薬には飲み薬や注射薬という違いのほか投与のタイミングや回数の違いもあります。患者さんの状況や骨の状態・症状等により、最適な治療薬を医師が選択して処方します。骨粗しょう症でお薬を内服されている方は、ご自分の薬がどんな分類でどの様に作用されているか確認してみてはいかがでしょうか。東庄病院では骨密度を調べる機械があります。整形外来もありますので、気になる方は受診の際にご相談ください。

東庄病院薬局長 細田晃司

 

 

 

 


)