町長所信表明

更新日:2023年01月31日

本日、令和5年第1回東庄町議会臨時会の開催にあたり、所信表明の機会をいただき、誠にありがとうございます。

先の町長選挙におきまして、議員各位をはじめ、町民の皆さま方の多大なるご支持をいただき、第19代東庄町長として、重責を担わせていただくことになりました。

私は、28年前の初当選以来、小さくともキラリと光るまちを目指し、多くの方々のご指導、ご支援を頂きながら、ひたむきに、努力を重ねてまいりました。

今回の選挙は、その成果に、一定の評価をいただいたものと信じております。

平成7年1月17日、私の町長就任、4日前に、阪神・淡路大震災が発生しました。多くの尊い命が奪われ、私は、どうしたら町民の命を守ることができるか、日々考えておりました。町民の命を守る、これこそが、私に課せられた大きな使命の一つであると心に刻み、今日まで町づくりに取り組んでまいりました。

町議会議員の期間を含めますと、43年あまり、町政にたずさわってまいりました。この間、様々な人と出会い、それによって得た知識、経験、絆というものを、最大限、今後の町政に活かしてまいりたいと考えます。

現在、私たち地方自治体は、長期化するコロナ禍や原油価格・物価高騰等により、住民生活や地域経済はなお一層厳しい状況に置かれております。戦後最大級の難局とも言われるこのような状況に対し、本町においては、小さい町だからこそできる、きめ細かい施策を展開し、町民一人ひとりをいかに大事にするかを基軸として、各種施策に取り組んでまいります。

それでは、新たな4年間の町政運営について、私の基本的な考えを述べさせていただきます。

まず、防災対策についてです。冒頭申し上げたとおり、町民の命を守ることは町の使命です。東日本大震災、近年では令和元年度に発生した台風第15号、第19号による被害は、記憶に新しいところであり、家屋の損壊や長期停電が発生するなど、町民の皆さんの生活に多大な影響を及ぼしました。

こういった災害ひとつひとつの経験を活かし、消防団や自治会、防災ボランティア等の皆様と連携し、防災意識の高揚、防災力の強化をはかるとともに、台風や集中豪雨による風水害、土砂災害、火災から、町民の命を守るために、関係機関との連携を強化し、災害防止に努めてまいります。また、現在は新型コロナウイルス感染症に対応した対策も必要です。コロナ禍における災害時の避難のあり方や避難所の運営方法などの対策も進めてまいります。

一人暮らしの高齢者や、身体の不自由な方の避難誘導や救出がスムーズに行われるよう、関係機関の体制強化に努め、新型コロナウイルス感染症対策と共にしっかりと対応してまいる所存です。

次に、教育の充実であります。近年、子ども達や地域社会を取り巻く環境が大きく変化し、学校に求められる役割も大きく変わってきております。

令和元年度にこじゅりんこども園が開園、そして令和2年度に5つの小学校が統合し東庄小学校が開校いたしました。

特に小学校においては、今年度で3年目を迎えますが、開校したにもかかわらず、コロナ禍の影響で様々な行事が中止、そして縮小に追い込まれ、地域の方々の協力を得る機会が非常に少なくなりました。

子どもたちには、今の社会に必要な知識を教えることはもちろんでありますけれども、将来を見据えた「確かな学力」そして「豊かな心」「健やかな体」を育む教育体制と環境の整備が必要でございます。

地域社会との連携を強めながら、子どもたちの健全育成を図るための事業の推進が、非常に重要なものであると考えております。

地域全体で未来を担う子どもたちの成長を支える新たな仕組みを構築してまいりたいと思います。

また、中学校の校舎については築48年が経過しておりますので、大規模改修により長寿命化を図り教育環境の整備をしてまいります。

次に、子育て支援についてです。県内でいち早く実施した18歳までの医療費無償化や、幼児教育・保育の無償化、給食費の無償化は、引き続き、しっかりと継続して予算化してまいります。少しでも保護者の負担軽減につながればと思います。本町では、子育て支援センターや放課後児童クラブ、さらに児童館といった、子育て支援施設の整備状況が、他の市町村に比べ、充実度、満足度が高いものと考えております。こうした情報を広く発信しながら、更なる子育てサービスの充実に努めてまいります。

次に、予防医療についてですが、「病気にならない、病人をつくらない」施策をさらに進めてまいります。予防接種事業は、法定予防接種になる前に、町独自の施策として積極的に無償化を進めてまいりました。

今後も帯状疱疹ワクチンの補助金なども検討し、しっかりと予算化してまいります。また、本町は特定健診の受診率が県内で最も高い自治体です。がん検診をはじめ、各種検診において、検査項目を魅力的なものとし、病気の早期発見に努めてまいります。

次に、東庄病院を中心とした医療の確保についてですが、引き続き、旭中央病院との連携強化により、医師の確保に努め、地域医療の拠点として、役割をはたしてまいります。東庄病院は地域に密着した病院として、住民に対しいつでも、どんな傷病でも診るという幅広い対応を目指してまいります。

次に、高齢者が生き生きと生涯現役で暮らせる町づくりをめざした施策を展開してまいります。今後の重点政策としては、公共交通ネットワークの構築がございます。

本町では、鉄道のほか、タクシーや外出支援バス等の公共交通が整備されていますが、それぞれの運行頻度は多くなく、高齢者等の交通弱者にとっては自由に外出することが難しい状況となっています。特に、高齢化の進行による免許返納者の増加など、今後想定される地域住民の移動手段の確保対策として、まちづくりと一体となった持続可能な地域公共交通網の再構築は、喫緊の課題となっています。現在、デマンドタクシーの実証実験を始めておりますが、利便性の高い地域公共交通網の再構築を検討し、住民ニーズに応じた効率的で効果的な地域公共交通を形成し、住民が今後も住み続けたいと思えるまちづくりを目指します。

次に産業面ですが、特に基幹産業の農業では認定農業者や集落営農組織等の担い手の確保、人・農地プランの整備など、持続可能な農業の発展に向けた取り組みを進めてまいります。

次に、道路網の整備についてですが、河口堰までの国道356号バイパスと県道多古笹本線から河口堰につながる県道下総橘 停車場東城線バイパス、いわゆる北ルートは千葉県が令和5年度の開通を目指して精力的に事業を実施しております。この道路整備に合わせ、接続する町道についても整備してまいります。

また、桁沼耕地の中学校通学路をはじめ、町道整備、排水整備をさらに進めてまいります。北ルートの開通にあわせ、旧橘小学校の跡地利活用につきましても、立地や利便性の面から地域振興に寄与する施設となるよう検討してまいります。

観光振興につきましては、東庄町には東大社や、諏訪神社、左右大神などの由緒ある神社、東氏の居城であった須賀山城址、天保水滸伝の史話を伝える遺跡など、たくさんの歴史遺産があります。観光協会や、町商工会と協力しながら、地域振興、町おこしの事業に取り組んでまいります。また、東庄町の豊かな、自然を活用して新たな観光資源の開発も進めてまいります。

次に、町民の皆さんに、公民館をはじめ、公共施設を積極的に活用いただけるよう努めるとともに、文化活動にできるかぎりの支援をしてまいります。

次に、行政協力員まちづくり会議についてですが、町民視点による提言や地域の課題解決にむけた意見交換の場としてたいへん有意義な会議となっております。町として、自治会活動を支援するとともに、引き続き、まちづくり会議を開催してまいります。

私は、現在、千葉県町村会の会長を務めており、同時に全国926町村で組織する全国町村会の副会長を仰せつかっております。全国の町村を代表する立場で、国の幹部や与党幹部に意見や要望をする機会が増えてまいりました。

国をかたちづくり、そして支えるのは、豊かな自然と、水源をもち、そして食料を供給する町村であります。その町村の声をきちんと国に届けながら、そこで得た人のつながりや、情報を町政に活かしてまいりたいと考えます。

最後になりますが、今、自治体では、持続可能な地域社会の実現に向け、住民がより一層地域づくりに参画し、積極的な役割を担うことが望まれています。

まちづくりは人づくりです。子どもたちが、この東庄町で育ち、やがて、東庄町を支え、創っていってもらうことが、私の夢であり、願いであります。

「ふるさとが人を育み、人がふるさとを創る」、社会の第一線で活躍する人が、東庄町から育ってほしいと思います。東庄町の独自性を表現し、東庄町だからできる、東庄町でしかできない、そのようなまちづくりに全身全霊を傾注し、邁進してまいる所存です。

議員各位におかれましても、今後とも更なるご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、施政方針とさせていただきます。ありがとうございました。

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